毎年クリスマスが近くなると、ある男性から高価なチョコレートが届きます。
今年も、同じチョコが同じ日に。

でも、私はそれをクリスマスにはいただかず、大事に冷蔵庫にしまって、12月29日にリボンをほどきます。
大好きな思い出の曲をかけながら、濃いめに出したミルクティーで乾杯。
レコーディングの合間、タバコの煙から逃げるようにスタジオのかたすみで小さなチョコをわけあって、ほっと笑いあったこと。
父を亡くした3日後、立てないほど衰弱した私のコンサートに、小さなスズランの鉢植えを抱えて来てくれた、涙でいっぱいの瞳。
「大丈夫。きっとうまくいくから。ずっと見てる」励ましてくれた優しい声。
電話で済むことなのに、便箋をえらんでわざわざ手紙を書くのが楽しかったふたり。「文通だね」って苦笑したっけ。
懐かしい笑顔や出来事が、すぐそこにあふれて止まらなくなる。
あれから15年も経つのに…ね。
大好きなきもちも
ありがとうの思いも
何も変わらない。
心の中いっぱいに生きています。

岡崎律子さんのお父さん、今年もどうもありがとうございました。
お礼のお手紙書きますね。
* * * * 小森まなみ